\こちらの記事はこんな人におすすめ/
- これから理学療法士を目指す方
- お子さんが理学療法士を目指している親御さん
- これからリハビリのため理学療法士とかかわる方
- 理学療法士のことをもっと知りたい医療従事者の方
理学療法士ってどんなお仕事?
経験年数10年越え、現役理学療法士のりはるが “理学療法士のリアル”をお答えします。
この記事ではざっくりと理学療法士(PT)がどんなお仕事なのかを理学療法士視点で知ることができます。
理学療法士とは?
Physical Therapist (PT) と呼ばれ、リハビリテーションに携わるお仕事です。
「寝返る・起き上がる・座る・立つ・歩く」などの基本動作能力の回復や維持、障がい悪化の予防を目的に運動療法や物理療法などを用いて自立した日常生活が送れるように支援する医学的リハビリテーションの専門職で、国家資格です。
一般的にこのように語られるのが理学療法士です。
お子さんが「理学療法士を目指したい」という親御さんは「国家資格なら安心だな」と思うのではないでしょうか。
ですが、この説明だけだと少し専門的であんまりピンとこない方もいるかもしれません。
経験年数10年越え、現役理学療法士が理学療法士のリアルについて説明していきます。
お仕事内容
患者さんとリハビリすること?
いえいえ、実はそれだけじゃないんです。
わたしも理学療法士になる前は患者さんとリハビリをすることが仕事だと思っていました、、、
\ 理学療法士のお仕事 /
- リハビリ時間の予約調整
- カルテから患者さんの情報収集
- リハビリの実施
- 自主トレーニングメニュー作成
- 自主トレーニング指導
- 病棟での動作指導
- 同職種とのミーティング
- 多職種とのカンファレンス
- カルテ記載
- 書類作成
- 家族への介護指導
- 福祉用具選定
- 患者さんへの説明
- 家屋訪問調査
- 院内勉強会資料作成
- 勉強会参加
- 研究活動
- 学会発表準備
- 機器の管理
- 医療機器業者さんとのやり取り
- 退院後の利用施設への申し送り
など、、、
書ききれないほど患者さんとのリハビリ以外にもすることがあります。
理学療法士にも「名もなき業務」が存在します。
患者さんとリハビリをすることって一日に占める時間は長いのですが、仕事としてはほんの一部です。
ところ変われば業務も変わり、やり方も変わるのでさらに業務が増えることもあり得ます。
例えばわたしが最初に就職したところはリハビリスタッフの数が少ないところでした。
そのため、リハビリスタッフ一人当たりの業務量は多く、経験年数の浅いうちからリーダーなどを任されることがあり、残業するのが当たり前でした。
リハビリスタッフが多いところへ転職した後は、一人当たりの業務量は少なくなり残業がほとんどなくなりました。
このように同じ理学療法士でも、職場環境によって業務内容や業務量は様々です。
理学療法士になってから想像していた理学療法士のイメージとギャップを感じ、「自分に合っていない」「辞めたい」と考えてしまう方も多いようです。
なので、理学療法士になる前にリハビリ以外の名もなき業務についても知っておいたほうが後に後悔しないためにも得策です。
これから理学療法士を目指す方は実際働いている理学療法士や、理学療法士以外の医療職の方にお話を聞いてみて、リアルな現状を知るのもいいかもしれませんね。
どこで働いても「リハビリ」をサポートするのは変わりないのですが、
勤める施設や配属される病棟によってもリハビリ以外の業務は異なりますので就職先を考える際にも知っておいて損はないです。
さらに、リハビリ内容も病期(急性期・回復期・生活期)や対象とする方(小児・高齢者など)によって異なります。
つまり、理学療法士のお仕事は「リハビリ」だけじゃないということです。
リハビリの時間
リハビリ時間20分を1単位として計算されます。
リハビリ時間1時間=3単位です。
リハビリ時間は上限が決まっています。
患者さん視点
急性期の場合、1日に1~2単位(20~40分)
回復期の場合、1日に2~3単位(40~60分)
生活期の場合、1日に1~2単位(20~40分)
入院・通院している施設の規模や形態によっても異なりますが、上記の時間を目安に理学療法を実施することが多いです。
理学療法のほかにも、作業療法や言語聴覚療法もそれぞれ同様に実施すると1日1~3時間ほどのリハビリ時間となります。
セラピスト視点
一人の患者さんにつき3単位(60分)、1日に6人担当したとすると
3単位×6人=18単位(360分:6時間)
勤務時間が8時間の場合、最大24単位(3単位×8)取得できますが、カルテを記載したりカンファレンスに参加したりとリハビリ以外の業務時間も必要なので一日18~20単位実施することが多いです。
理学療法士になって2、3年目のある日
高校の同級生に久々に再会し、こんな会話をしました。
仕事は何をしているの?
理学療法士だよ
あぁ!リハビリのお手伝いをしてくれる人だよね!
う、うん…そう、、、だね
このときわたしは「お、お手伝い、、、」(モヤモヤモヤ…)となりました。
リハビリを主導しているのは理学療法士だと思っていたので、「お手伝い」といわれてモヤっとしたのだと、あとになって気づきました。
この日の出来事がきっかけでわたしは理学療法士の仕事ってなんなんだろうと考えるようになりました。
よく考えると実は同級生の言葉は、その通りなんです。
「リハビリの主体は患者さん本人であって、PTはサポート役」
これが本来の姿だとわたしは感じています。
理学療法士は病気やケガを治したり、障がいをなくすことはできません。
「病気をケガを治したり、障がいとともに歩む方」を “サポートをする” お仕事です。
リハビリ室のよくある光景
リハビリのよくある光景として、
患者さんがリハビリ室に来てすぐにベッドに横になり、セラピストがマッサージを始めるという場面があります。
一見、違和感なく感じるかもしれませんが、
10年以上理学療法士として働いてきて、それってサポートになっているのかなと感じることがあります。
確かにマッサージが必要な方もいらっしゃいますし、たまにはこんな日があるのかもしれません。
ただ、患者さんとセラピストがその後の未来の姿を共有していることが重要だと思います。
まとめ
現役理学療法士りはるが「理学療法士とは?」にお答えしました。
ざっくりとした説明ですが、理学療法士視点でお伝えしました。
「理学療法士になるための方法」や「理学療法士の1日のタイムスケジュール」などは今後投稿していきたいと思います。
またみてもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします。